話題のトイレトレーラーとは?導入するメリットと活用例を解説
災害のたびに課題になる仮設トイレ問題ですが、近年、トイレトレーラーの活用が注目されています。トイレトレーラーは移動可能で設置が容易なため、災害現場だけでなく、今後さまざまな場所での運用が考えられるでしょう。
この記事では、トイレトレーラーについて詳しく解説するとともに、従来の仮設トイレとの違いもまとめています。活用例も紹介しているので、ぜひ最後までご覧いただき、導入の参考にしてください。
Contents
トイレトレーラーとは?
トイレトレーラーとは、移動可能な仮設トイレの一種です。複数の個室が設置されているのが一般的で、中には多目的トイレとして利用できるものもあります。
トイレ施設にはエンジンがなく、設置場所まで牽引して運びます。給水タンクと汚水タンクが備わっているため、清潔で快適に利用できるのが特徴です。
また、バッテリーやソーラーパネルが搭載されているケースも多く、災害地などでも容易に換気扇や照明の電源が確保できます。最近では、多くの自治体が災害やイベント用のトイレとして導入しています。
トイレトレーラーのメリット
トイレトレーラーには、次のようなメリットがあります。
- 設置が簡単
- どんな環境でも使える
- 快適に利用できる
- 汚物処理が容易
それぞれ詳しく解説します。
設置が簡単
トイレトレーラーは、車両として移動できる設計になっており、到着後すぐに設置が完了します。クレーンや重機を使う必要がなく、トレーラーを所定の位置に置くだけで利用可能です。
また、調整可能なジャッキやスタンドを備えたモデルも多く、不整地、傾斜地でも安定した設置が可能です。そのため、工事現場や災害地にも容易に置けるのがメリットです。
設置や撤去が簡単にできるので、複数の場所で繰り返し使用でき、長期的なコスト削減にもつながります。
どんな環境でも使える
山間部や海辺、郊外など、固定トイレの設置が難しい場所でも使用可能です。設備の有無に左右されずに設置できるため、環境を問わず活用できます。
たとえば、水道や電源がない場所でも、独立型のトレーラーならば問題なく使用できます。タンク式の水供給システムやバッテリー、ソーラーパネル搭載モデルにより、完全自給自足型のトイレ運用が可能です。
また、耐久性の高い素材で作られているため、厳しい気候条件にも対応します。寒冷地用には暖房設備を搭載したり、防寒加工したりすることも可能です。
快適に利用できる
最新のトイレトレーラーには、次のような設備が整っています。これにより、従来の仮設トイレに比べて、快適さが大幅に向上しています。
- エアコン暖房
- LED照明
- 手洗い場
- 鏡
また、トイレ内部の素材は清掃しやすく、防臭加工が施されているケースも多いです。さらに、換気システムがあるため、常に新鮮な空気が保たれ、においがこもりません。
このほか、個室設計でしっかりとプライバシーが守られるので、利用者が安心して使える環境が整っています。
汚物処理が容易
トイレトレーラーは専用の汚物タンクを備えており、汚水の処理が簡単です。タンクは密閉式で、周囲に臭いや汚染物質が漏れる心配がありません。
タンクに溜まったし尿は、専用の吸引車を利用して処理場に運ぶことが可能です。また、直接下水に接続すれば、通常の水洗トイレと同じように利用できます。
このほか、一部のトレーラーでは、汚物を分解するエコロジカルシステムを搭載しており、環境に優しい運用が可能です。汚水を処理水として再利用できるモデルは、断水地域など給水が困難な状況でも利用できます。
一般的な仮設トイレの種類と特徴
仮設トイレは、トイレトレーラー以外にも、さまざまなタイプが利用されています。トイレトレーラーとの違いを把握し、設置場所に適したトイレを選択しましょう。
非水洗タイプ
非水洗タイプとは、「ぼっとん便所」とも呼ばれる、汲み取り式の仮設トイレです。水洗設備が不要なため、どこにでも設置できるのが特徴ですが、においや衛生面に課題があります。
これらの問題を抑制するために凝固剤や薬剤が必要になりますが、比較的コストをかけずに使用することが可能です。工事現場のような水道設備がない場所で、一時的に活用されるのが一般的です。
簡易水洗
非水洗タイプと完全水洗トイレの中間に位置するモデルで、少量の水で排泄物を流し、タンクに貯める仕組みになっています。下水に接続できないため定期的な汲み取りが必要ですが、非水洗タイプに比べてにおいが少なく快適性が高いのが特徴です。
水洗タイプ
上下水道を利用した水洗式の仮設トイレで、一般的な施設のトイレと同じように利用できます。
においが少なく衛生的ですが、給水と排水の工事が必要になるため、水道設備がない場所には設置できません。工事に費用がかかる分、コストは高くなります。
水洗タイプは汲み取りが不要なため、長期間の使用に適しています。
バイオトイレ
微生物やバイオ技術を活用して排泄物を分解するエコな仮設トイレです。排泄物を自然分解するので、水や電気を最小限に抑えられます。
環境に優しい設計で、メンテナンスの手間も比較的少ないものの、導入にかかる初期コストは高い傾向にあります。
自然保護区や環境負荷を抑えたい場所に適しており、持続可能性を重視する場面で用いられることが多いです。
トイレトレーラーの活用例
トイレトレーラーは、従来の仮設トイレに比べて快適な環境を用意することが可能です。そのため、さまざまな場面での活用が考えられます。
災害地に設置
災害が起きた地域では、インフラが損傷して水道や下水道の利用が困難になる場合が多いため、トイレトレーラーは非常に有効な設備です。移動式のため、道路さえ通行できれば運ぶことができ、被災地の状況に応じて柔軟に設置することが可能です。
また、手洗い設備や消毒機能を備えたモデルを導入することで、衛生状態を保つことができ、感染症の拡大を防ぐ役割も果たします。
良いトイレ環境は、トイレ利用のストレスを軽減し、被災者の健康を守ることにつながります。
イベント会場に設置
次のようなイベント会場では、短期間で大人数が利用するため、トイレトレーラーの導入が便利です。
- 野外フェス
- マラソン大会
- お花見
- フードイベント
- 花火大会
これらの屋外イベントや仮設会場にはトイレがないケースも多く、トイレトレーラーが来場者の快適さを確保します。とくに食べ物を提供するイベントでは、トイレの清潔さが重要になるでしょう。
また、移動式のためイベント終了後は速やかに撤去でき、次の使用場所に迅速に移動することも可能です。
工事現場に設置
工事現場では作業員が長時間滞在するため、トイレは欠かせない設備です。インフラが整備されていない現場も多いため、トイレトレーラーが便利です。
清潔なトイレ環境を提供することで、作業員の満足度を上げることができ、作業効率アップに寄与します。
さらに、トイレトレーラーは現場の状況に応じて移動が可能なため、進行中の工事に合わせた柔軟な運用が可能です。
トイレトレーラーの価格
トイレトレーラーの価格は、設備やサイズによって大きく異なります。
たとえば、便器1基と手洗い場のようなシンプルなタイプであれば300万円ほどで購入できますが、ソーラーパネルや複数の個室を備えた高規格タイプは2,000万円を超えます。
このほか、バリアフリー仕様やおむつ交換台の設置などのカスタマイズによって、価格が変わるため、詳細は専門業者に問い合わせてください。
自治体が購入するケースでは、クラウドファンディングや寄付などで負担の軽減を図っています。
トイレトレーラー導入を検討しよう
トイレトレーラーは、牽引して設置場所まで運べるため、クレーンや重機が不要で、簡単に設置できるのが特徴です。
給水タンクと汚水槽があるのが一般的ですが、上下水道設備に接続すれば汲み取りの必要もありません。また、電源設備も搭載されているため、夜間でも快適に利用できます。
災害現場で利用されるケースが目立ちますが、屋外イベントなど、幅広い場所で活用できるでしょう。
トレーラーハウスで 見つける 新たな可能性!
トレーラーハウスについて詳しく知りたい方は
お気軽にお問い合わせください。