トレーラーハウスをクリニックに導入しよう！医療現場で活躍する理由と導入するメリットを解説

トレーラーハウスは、活用方法の幅広さから様々な業界から注目を集めています。そして、近年は医療業界でもトレーラーハウスを導入するクリニックや医院が増えていることをご存知でしょうか。

今回は、トレーラーハウスが医療現場で活躍する理由と、クリニックがトレーラーハウスを導入するメリットについて詳しく解説します。

トレーラーハウスが医療現場で活躍する理由

トレーラーハウスが医療現場で注目されている最大の理由は、柔軟性が高く迅速な設置が可能であるという点です。特に災害時や感染症の流行時には、短期間で移動可能な医療施設として活用できるため、応急処置や検査センター、ワクチン接種会場として利用されるケースが増えています。

また、トレーラーハウスは電気や水道などのインフラが整わない地域でも、自給自足の設備を備えられるため、僻地医療や移動診療にも適しています。医療機器を設置しやすく、特定の用途（処置室、診察室など）にカスタマイズすることも可能です。

このような特徴から、医療現場での需要が高まっています。

医療コンテナとの違い

トレーラーハウス以外にも、移動可能で簡易的な医療スペースとして活用できるものに医療コンテナがあります。トレーラーハウスと医療コンテナは、どちらも移動可能な医療施設として利用できますが、設計や用途に明確な違いがあります。

トレーラーハウスは車輪が付いており、けん引して容易に移動できるため、設置後も再配置が簡単です。一方、医療コンテナは車輪がなく、設置場所までクレーンやトラックで運搬する必要があります。

トレーラーハウスは内装の自由度が高く、診療室や待合室を兼ね備えた快適な空間設計が可能で、患者の利便性や居住性を重視する場面に適しています。医療コンテナは堅牢性が高く、過酷な環境下でも使用できるため、災害時や長期間固定して利用する場合に向いているでしょう。

これらの違いにより、トレーラーハウスは短期的な診療や移動を伴う医療活動に、医療コンテナは恒久的な施設設置や特定地域での長期使用に適しています。

クリニックにトレーラーハウスを導入するメリット

クリニックがトレーラーハウスを導入することには、主に以下のメリットがあります。

• 事業を継続しながらスペースを拡張できる
• 建ぺい率・容積率の制限を受けない
• 感染症患者に対応できる
• 容易に移動できる
• 不要になったら売却できる

事業を継続しながらスペースを拡張できる

クリニックの需要拡大や対応領域の拡大に伴い、診察室や待合室、処置室などが追加で必要になることも考えられます。そうなった場合、クリニックの建屋を増築・改修する必要がありますが、母屋を工事すると工事中は事業の継続が難しくなるでしょう。

しかし、トレーラーハウスを設置すれば、母屋に工事をする必要がないので、事業を継続しながらスペースを拡張することが可能です。納入までの期間も2～6ヶ月ほどと短いため、迅速に設置することができます。

建ぺい率・容積率の制限を受けない

クリニックを増築して拡張する際は、建築基準法で定められている建ぺい率や容積率の基準をクリアしなければなりません。すでに建ぺい率や容積率がいっぱいの場合、原則としてクリニックを増築することはできないでしょう。

しかし、トレーラーハウスは建築物ではなく車両として扱われるため、建ぺい率や容積率の制限を受けません。建築確認申請や基礎工事も必要ないため、手続きの手間や費用もおさえられるでしょう。

感染症患者にも対応できる

新型コロナウイルスやインフルエンザのように、強い感染力を持つ感染症患者に対応する場合、一般患者と隔離することの重要性が求められています。待合室や診察室だけでなく、受付や廊下など、できるだけ一般患者を感染症患者が同じ空間にいないようにすることができれば、一般患者の方も安心して来院できるようになり、信頼性も増すでしょう。

トレーラーハウスを導入して、そこを感染症患者専用のスペースにすれば、一般患者と感染症患者を完全に隔離することが可能です。感染症患者と関わる看護師や受付スタッフなどを最小限にすることもできるため、従業員の感染リスクも抑えられるでしょう。

容易に移動できる

トレーラーハウスはけん引車でけん引することで容易に移動できるため、必要に応じて迅速に設置場所を変更し、災害時の臨時医療拠点や、僻地や人口密集地での移動診療に活用できます。また、季節ごとのニーズに応じてワクチン接種会場や健康診断施設として柔軟に運用可能です。

患者の多い地域や医療機関が少ない地域への移動が可能となり、医療サービスの提供範囲を拡大できます。このように、トレーラーハウスを導入することで、地域医療の効率化や緊急対応能力を向上させることが可能です。

不要になったら売却できる

トレーラーハウスは不要になった際に売却できることも大きなメリットです。通常の建築物と異なり、トレーラーハウスは移動可能な資産として扱われるため、設置場所に関係なく再利用される価値があります。

中古でも価値が下がりにくく、高値で取引されやすいことも大きな特徴です。そのため、リスクを抑えて導入することができるでしょう。

医療現場でのトレーラーハウスの活用方法

クリニックにトレーラーハウスを導入することで、以下のように活用できます。

• 感染症患者専用スペース
• ワクチン・予防接種会場
• 災害時緊急診療スペース
• 出張診療所

感染症患者専用専用スペース

トレーラーハウスは独立した構造を持ち、既存の診療所と物理的に分離できるため、感染リスクを低減することが可能です。また、内部を陰圧室や専用診察室としてカスタマイズ可能で、感染症対策に必要な設備を柔軟に配置できます。

必要に応じて移動や撤去が容易なため、感染症の流行状況に応じて迅速に対応することも可能です。

ワクチン・予防接種会場

トレーラーハウスは、ワクチン・予防接種会場として機能させることが可能です。迅速に設置・移動できるため、人口密集地や必要性の高い地域へ柔軟に展開できます。

また、専用の接種スペースとして内部をカスタマイズし、必要な設備を整えられるため、効率的な運用が可能です。さらに、既存のクリニックから物理的に分離することで、感染症対策にも対応できます。

これにより、予防接種の提供体制を強化し、地域の医療ニーズに迅速に応えられます。

災害時緊急診療スペース

移動や設置が容易なトレーラーハウスは、被災地に迅速に設置でき、応急処置や診療を行う拠点となります。実際に過去の災害時に導入された事例もあり、必要な医療機器や設備を備えて独立した空間を確保できるため、災害時の混乱を最小限に抑えながら、柔軟な医療サービスを提供できます。

また、災害時は避難所での集団生活を余儀なくされ、そこで感染症が拡大するリスクが懸念されますが、トレーラーハウスで隔離することでリスクを低減することが可能です。

出張診療所

トレーラーハウスは移動が容易で、遠隔地や医療施設が不足している地域に迅速に設置することが可能です。診療室や検査室などをカスタマイズでき、必要な医療機器を設置することで一般診療や健康診断を行う環境を整えられます。

また、イベント会場や高齢者施設、災害時の避難所など、多様な場所で医療サービスを提供できることが大きな利点です。さらに、必要に応じて拠点を移動できるため、地域住民の医療アクセス向上に貢献します。

クリニックにトレーラーハウスを導入しよう

トレーラーハウスは、クリニックに柔軟性と効率性をもたらす画期的な選択肢です。災害時の緊急医療拠点としての迅速な活用、移動診療所やワクチン接種会場としての地域医療支援、さらには感染症対策スペースとしての用途など、多様な場面でその強みを発揮します。

設置コストや法的規制の面でも従来の建築物よりも有利で、クリニック運営におけるリスク軽減と拡張性の向上に寄与します。これからの医療現場において、トレーラーハウスは地域医療を支える新たな形として期待されています。

医療現場の変化に対応し、患者様により良い医療を提供するために、ぜひトレーラーハウスの導入を検討してみてください。