トレーラーハウスを社員寮に活用！メリットと注意点を解説

社員寮は、福利厚生の充実、採用ブランディングの強化などに有効です。しかし、一般的な住居を建てるとなると、建築・維持に大きなコストがかかります。

そこで今回は、新たな社員寮の形として、コストを抑えて運用できるトレーラーハウスをご提案します。トレーラーハウスを活用するメリット、注意点などをまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。

トレーラーハウスを用いた社員寮が注目されるワケ

近年、企業が従業員の住環境として、トレーラーハウスを活用する動きが見られます。その背景には、人材確保の難しさ、地域格差の広がりなどがあります。

たとえば地方や観光地では、雇用はあるものの住む場所が確保できないために採用が進まないケースもあり、必要に応じて企業が住まいを用意しなくてはなりません。しかし、社員寮や社宅を新築するとなると多額の初期投資がかかり、維持管理の負担も大きくなります。

そこで注目されているのが、トレーラーハウスです。トレーラーハウスは設置が容易なので、人材の数や事業規模の変動に柔軟に対応することが可能です。これが企業のニーズに合致し、社員寮としてのトレーラーハウスが注目されています。

社員寮にトレーラーハウスを活用するメリット

社員寮としてのトレーラーハウス活用には、次のようなメリットがあります。

• コストを抑えられる
• スピーディーに設置できる
• 状況に応じて移動できる
• 企業イメージが向上する
• 売却できる

コストを抑えられる

一般的な寮や社宅を建てる場合、土地の整備、建築、検査、固定資産税など、多岐にわたる費用負担が発生します。一方、トレーラーハウスは車両として扱われるため、固定資産税がかからず、基礎工事も最小限で済みます。

必要なときに必要な数だけ導入できるため、一度に高額な投資を行わずに済むのも大きなメリットです。また、メンテナンスが必要になった際も、集合住宅のように建物全体をリフォームする必要がないため、運用面での無駄な出費を抑えられます。

スピーディーに設置できる

一般的な住宅の建築は、設計、申請、施工、検査という多くの工程が必要で、完成までに半年〜1年ほどかかります。それに対してトレーラーハウスは、工場で製造された完成品を現地に運び、設置するだけなので、製品さえあれば長くても数週間で入居できる環境が整います。

たとえば、繁忙期前に急遽人員を確保したい場合などには、このスピード感が大きな武器となるでしょう。このほか、突発的な事業拡大やプロジェクト単位の増員にも柔軟に対応できます。

状況に応じて移動できる

トレーラーハウスは牽引して移動させられるので、拠点を変えたい企業や、複数の地域で事業展開する企業におすすめです。たとえば、季節ごとに人材が必要になる地域が異なる場合は、固定の寮よりも移動式の住まいの方が柔軟に対応できます。

また、移転が必要になった場合にも、建物を動かして、そのまま別拠点での再利用が可能です。これにより、長期的なリスクを抑えつつ、事業計画の変化に合わせた機動的な人材配置が実現します。

企業イメージが向上する

最近のトレーラーハウスは、デザイン性や快適性が向上しており、スタイリッシュな住環境を提供することができます。また、「社員の住環境に投資する会社」という印象は、求職者に対してプラスのイメージを与え、採用ブランディングにも有効です。

とくに若い世代や地方出身者にとって、住まいの綺麗さや快適さは転職を決断するうえで重要な要素になります。また、環境に配慮した設計や建物の再利用など、SDGsへの姿勢をアピールしやすい点も企業価値の向上に貢献します。

売却できる

トレーラーハウスは土地に固定しないので、不要になった際には売却することが可能です。一般的な建物は、立地によって売却の難易度が左右されるほか、必要に応じて解体費用も発生します。

しかしトレーラーハウスであれば、土地の制約を受けずに、建物のみ売却できます。資産として現金化できるため、投資リスクを抑えて運用できるのが利点です。

建物の管理において、こうした出口戦略を持てる点は、企業にとって魅力的なポイントになるでしょう。

トレーラーハウス社員寮がおすすめの業種

ここでは、トレーラーハウス社員寮の導入に向いている業種を紹介していきます。

建設業

建設業は、現場が変わりやすくプロジェクト単位で人員を確保するケースもあるので、トレーラーハウス社員寮と相性の良い業種です。

企業にとって、工事現場の移動とともに従業員の住まいを確保するのは大きな負担となり、数か月分のホテル代など多額のコストがかかります。しかしトレーラーハウスであれば、現場近くに設置でき、必要な期間だけ利用することが可能です。

長期滞在でも生活しやすい設備を備えておけば、従業員の疲労軽減や離職防止にもつながります。

製造業

製造業では、繁忙期と閑散期の波が大きく、人材を一時的に増やす必要がある企業も多く存在します。しかし工場の立地によっては、求人を出しても住む場所がないため応募が来ない、といった問題が発生しがちです。

トレーラーハウスは、スピーディーに必要な数だけ導入できるため、工場の生産状況に合わせて柔軟に活用できます。寮を新築すると固定費が発生し続けますが、トレーラーハウスであれば繁忙期のみレンタルすることも可能なので、費用を抑えた運用が可能です。

農業

農業は季節により作業量が大きく変化するので、規模によっては短期労働者の受け入れが必要になります。しかし、農地周辺に賃貸物件が少ない地域も多く、住環境の確保が採用のネックとなりがちです。

トレーラーハウスは農地近くのスペースに設置でき、必要な期間だけ利用できるため、農繁期の人材確保に役立ちます。また、外国人技能実習生を受け入れる場合なども、プライバシーを確保した寮を準備することができます。

観光業

ホテルや旅館を運営する企業にとって、「住む場所がないためスタッフが集まらない」という問題は深刻です。トレーラーハウスは、駐車場や敷地内の空きスペースなどに設置でき、シーズンに合わせて必要な数を確保できます。

たとえば、夏と冬で客数が大きく変わるリゾート地では、繁忙期だけ寮を増設するという運用も可能です。また、観光地の雰囲気に馴染むデザインにすれば、スタッフの満足度や企業のブランド価値向上にもつながります。

トレーラーハウス設置の注意点

トレーラーハウスを十分に活用できるよう、注意点を押さえておきましょう。

快適な広さを確保する工夫が必要

トレーラーハウスを生活空間として利用するためには、一定の広さを確保する必要があります。たとえば、トイレやキッチン、浴室を完備する場合は、ほかの部分が快適に過ごせる広さになっているかを確認しましょう。

トレーラーハウスによっては、ロフトを設置できたり、可動式の間仕切りを付けたりすることも可能です。このほか、一棟で完結させるためには、フレキシブル家具を導入するといった工夫も一案です。

設置できない場所もある

トレーラーハウスは車両として設置できますが、どこでも自由に置けるわけではありません。自治体の条例などによって規制されている場合があるので、事前に確認しておきましょう。

また、農地では農地転用許可の手続きが必要になるため、注意が必要です。地域の規制などを無視して設置すると、撤去命令や利用停止に繋がるリスクもあります。

設置場所の気候に合わせた性能が必要

トレーラーハウスの活用においては、気候に適した性能を確保しないと、夏場の高温や冬場の寒さで生活が困難になりかねません。たとえば豪雪地域では、屋根の耐雪性能や断熱性能が不足すると安全性が低下し、積雪による破損リスクも高まります。

また、沿岸部では、塩害対策や強風への備えも必須です。社員寮として利用する場合は、その地域で快適かつ安全に暮らせる仕様になっているかを意識することが重要です。

社員寮としてトレーラーハウスを活用しよう

トレーラーハウスを社員寮として活用すると、一般的な建物を建てる場合に比べて費用を抑えることが可能です。また、短期間で設置できるため、必要に応じて柔軟に利用できる点もメリットです。

そのため、建設業や製造業、農業、観光業など、幅広い業種で社員寮としての活用が考えられます。ただし、自治体のルールによって規制されるケースもあるため、事前に設置できるかを確認しておきましょう。