トレーラーハウスに基礎工事は必要?注意点やライフラインなど詳しく解説
通常、住宅などの建物を建築する際は土台となる基礎工事をしなければなりません。建物の基礎がしっかりしていないと、地盤沈下や地震などによって建物が倒壊して大きな被害が出てしまう可能性があるためです。
では、トレーラーハウスを設置する場合はどうでしょうか。
今回のコラムでは、トレーラーハウスの基礎工事について詳しく解説します。
設置時の注意点や、ライフラインの接続についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
トレーラーハウスは基礎工事が不要
新しく建物を建てる際や大幅な増改築を行う際は、建築基準法施行法令第38条で基礎工事を施さなければならないと定められています。しかし、トレーラーハウスは建築物ではなく「車両」として扱われるため基礎工事をしなくても設置することが可能です。
さらに、新しい建物を建てる際は建築確認申請が必要とされていますが、車両扱いであるトレーラーハウスは建築確認申請も必要ありません。設置する際に、手間や費用がかからない点はトレーラーハウスの大きなメリットといえるでしょう。
建築物ではないためトレーラーハウスには固定資産税もかかりません。不動産取得税や登録免許税など、不動産に関わる税金がかからないことも魅力の1つです。
しかし、トレーラーハウスを設置する際にはいくつか押さえておかなければいけない注意点があります。詳しくは次章で解説します。
トレーラーハウスの設置に関する注意点
トレーラーハウスを設置する際は、以下の3点に注意が必要です。
- 地盤改良が必要になる場合がある
- 建築物に該当する場合は建築確認申請が必要になる
- 設置する土地に関しては固定資産税がかかる
地盤改良が必要になる場合がある
先述の通り、トレーラーハウスを設置する際は基礎工事を実施する必要がありません。しかし、基礎工事をしないということは、地盤が不安定な場所に設置するリスクがあるということでもあります。
トレーラーハウスは、一般的な住宅を建設することができない市街化調整区域にも設置することができます。「土地代を安く抑えたい」「郊外の田舎に設置したい」と考える方も多くいますが、そのような土地は地盤が安定していない可能性があります。
地盤が安定していなければ、トレーラーハウスの重量に耐えることができず沈んでしまうかもしれません。トレーラーハウスを設置する前に地盤調査を実施して、安定して設置できるかを確認することが大切です。調査結果によっては、地盤改良を実施してからトレーラーハウスを設置しましょう。
建築物に該当する場合は建築確認申請が必要になる
トレーラーハウスは、いつでも移動できることを前提に車両として扱われます。しかし、以下の条件に該当すると建築物とみなされます。
- 固定物が付属しており、移動に支障が出る
- ライフラインを簡単に切り離すことができない
- 設置場所から公道に出ることができない
- タイヤを取り外しており、移動できない
トレーラーハウスを設置する際は車両扱いだったとしても、設置後に増改築して建築物に該当してしまうケースがあります。建築物に該当してしまうと、建築確認申請が必要になるため、手間や費用がかかります。
建築確認申請だけでなく、トレーラーハウスに対して固定資産税や都市計画税など不動産に関する税金が課されることになるため、注意しましょう。
設置する土地に関しては固定資産税がかかる
トレーラーハウスは建築物に該当しないため、固定資産税をはじめ不動産に関する税金はかかりません。しかし、トレーラーハウスを設置するための土地に関しては固定資産税や不動産取得税などの税金が課されます。
土地に係る税金の中には、都市計画税という税金があります。都市計画税は自治体が税率を設定しているため、設置する土地によって税負担額が変わるということを覚えておきましょう。
自身が所有している土地に設置する場合は、すでにその土地にかかる税金を支払っていると思いますが、新しく土地を購入する場合は注意が必要です。
トレーラーハウスの固定資産税に関して詳しく解説したコラムがあるので、詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
トレーラーハウスは固定資産税がかかるの?税金面を徹底解説
トレーラーハウスの固定資産税について気になる方も多いのではないでしょうか?トレーラーハウスにかかる税金について詳しく解説します。
トレーラーハウスの設置に向いている地面
トレーラーハウスを設置する際は、以下のような地面に設置することをおすすめします。
- 砂利の地面
- アスファルトの地面
- コンクリートの地面
砂利の上に設置する場合は、粒が細かく転圧された地面を選びましょう。転圧していない地面はトレーラーハウスの重さに耐えられないかもしれません。水はけや耐久性の面を考慮すると、アスファルトの地面が最も向いているといえます。
トレーラーハウスの設置に向いていない地面
反対に以下の地面はトレーラーハウスの設置に向いていないため、注意が必要です。
- 土の地面
- 傾斜・段差のある地面
地面が土の場合、トレーラーハウスの設置には向いていません。トレーラーハウスの重さに耐えられず、地面に亀裂が入ったり、タイヤがスタックする可能性があるためです。
例え設置できたとしても、徐々に沈んでいき水平を保つことができなくなる可能性があります。雨の影響も受けやすいため、長い目で見た時に土の地面に設置する場合は事前に地盤調査を実施し、安全かどうか確認しましょう。
傾斜や段差がある地面もおすすめできません。多少の段差や傾斜であれば問題ありませんが、程度によっては水平を保つことが非常に難しくなります。
トレーラーハウスに接続できるライフライン
トレーラーハウスを設置する際に、ライフラインの接続はできるのか気になる方も多いと思います。トレーラーハウスには、以下のライフラインを接続することができます。
- 上下水道
- 電気
- ガス
- 電話・ネット回線
それぞれの接続方法や注意点を詳しく解説します。
インフラに関して、こちらの記事でも詳しく解説しているので、気になる方はこちらの記事も参考にしてみてください。
トレーラーハウスのインフラはどうする?電気・水道・ガスなど
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上下水道
キッチンやトイレ、シャワーなど生活する上で水の存在は欠かせません。トレーラーハウスにも水道を設けることは可能です。しかし、トレーラーハウスに上下水道の配管を接続する際は、工具無しで脱着できるようにしなければなりません。
カムロックというワンタッチで配管同士を脱着できる部品を使用して接続します。水道配管はパッキンが劣化すると水漏れを起こしてしまうため、定期的な点検が必要です。カムロックも長年使っていると劣化で水漏れを起こす可能性があるため、こまめに接続部の点検を実施しましょう。
また、トレーラーハウスを設置する場所によっては、下水道を引き込めない可能性があります。下水道を引き込めない場合、浄化槽を埋設するなどして、適切な下水処理を行う必要があるので、自治体に確認しましょう。
電気
トレーラーハウスに電気を引き込む際は、受電ポールを敷地内に設置して電線を引き込みます。受電ポールにトレーラーハウス用の分電盤を設けて、新電力の開設または既存電力の分岐を行うことが必要です。
受電ポールからトレーラーハウスに引き込む際、脱着可能なコンセントのようなコネクタで接続しなければなりません。直接電線を接続してしまうと、建築物の要件に該当して車両として扱えなくなります。
ガス
トレーラーハウスの設置検査基準で、ガスはプロパンガスを設置しなければならないと定められています。都市ガスは容易に脱着できないため、接続することができません。
ガスボンベはトレーラーハウスに積載するか、レンチのみで簡単に脱着できる状態であれば地面に置いていても問題ありません。通常のプロパンガスもレンチのみで脱着できる金具で接続されているので、基本的には特別変わった対応をする必要はないでしょう。
電話・ネット回線
近年、モバイル回線の普及により、固定電話回線を引き込む世帯は減ってきましたが、事業用の固定電話など、電話線を引き込まなければならない方もいるでしょう。トレーラーハウスには、電話回線やネット回線を引き込むことができます。
電話・ネット回線も他のライフライン同様、すぐに脱着できる状態でなければなりません。工具を使わなくてもすぐに脱着できるアダプタを使って接続しましょう。
安定した地面にトレーラーハウスを設置しよう
トレーラーハウスの基礎工事について詳しく解説しました。トレーラーハウスは基礎工事を実施する必要がなく、どこにでも設置できることが大きな魅力です。
しかし、地盤が安定していなければ沈んでしまったり、水平を保つことが難しかったりとトラブルに発展してしまう可能性があります。トレーラーハウスの重量に耐えられる安定した地面の上に設置して、快適なトレーラーハウス生活を送りましょう。
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