トレーラーハウスは自作できる?自作と購入を比べてみた
トレーラーハウスは小さな住居として利用することが可能で、そのようなミニマムで個性的な暮らしに憧れる方もいるのではないでしょうか。そんなトレーラーハウスはコンパクトなサイズなので、自作できるのではと考える方もいるでしょう。
今回は、トレーラーハウスの自作について詳しく解説します。自作と購入を比較して、どちらにすべきかを検討する参考にしてみてください。
Contents
トレーラーハウスは自作できる!
結論から申し上げると、トレーラーハウスは自作することが可能です。通常の住宅を自作することもできますが、その場合は建築基準法に基づいて建築確認申請を行わなければなりません。
そのため、通常の住宅を自作するのは相当なハードルがあります。しかし、トレーラーハウスは建築物ではなく車両として扱われ、建築基準法が適用されないため、自作のハードルが低いです。
ただし、自作することは可能でも様々なデメリットや注意点があります。具体的には後ほど解説するので、それらをしっかり理解したうえで検討しましょう。
トレーラーハウスを自作するメリット・デメリット
続いて、トレーラーハウスを自作することのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
メリット
トレーラーハウスを自作するメリットは、主に以下の3点です。
- 自由な設計にできる
- 自作する過程が楽しい
- 購入するより安価で手に入る
自由な設計にできる
自作することの最大のメリットは、自分が思い描いた通りの自由な設計にできることです。購入する場合はある程度モデルが決められていたり、自分の要望を思うように伝えられなかったりして、完成後に「ちょっと違うな」と違和感を覚えるリスクがあります。
自作のトレーラーハウスであれば、自分の思い描く通りに設計できたり、製造途中に工夫を加えたりできるので、理想のトレーラーハウスを実現できるでしょう。
自作する過程が楽しい
トレーラーハウスを自作したいと考える方は、ものづくりが好きで設計や建築に興味がある方が多いでしょう。間取りを設計したり、素材を加工して組み立てたりする過程が楽しいと感じることも、トレーラーハウスを自作する大きな魅力です。
また、自作することによりより一層愛着が湧くでしょう。家族や友人と協力しながら自作すればコミュニケーションが生まれ、会話が弾みます。自作する日々が、かけがえのない思い出になるでしょう。
購入するより安価で手に入る
トレーラーハウスの販売価格には、原価に加えて製造にかかる人件費や設計費などが加味されています。自作の場合は単純な原価だけが費用としてかかるので、購入するよりも自作した方が安価でトレーラーハウスを手に入れることが可能です。
例えば、500万円で販売しているトレーラーハウスの原価が300万円だとすれば、自作する場合は300万円で手に入るということです。実際はこのように単純ではないものの、安価にトレーラーハウスを手に入れたい場合は、購入よりも自作する方が良いかもしれません。
デメリット
トレーラーハウスを自作することには、以下のように様々なデメリットもあります。
- 完成までに膨大な労力がかかる
- 専門的な知識が必要になる
- 十分な性能のものを作れない可能性がある
完成までに膨大な労力がかかる
トレーラーハウスの製造には、膨大な労力と時間がかかるでしょう。設計、デザインの構想を練ることも一苦労ですが、その通りに製造するためには技術も必要です。
通常、購入する場合も発注から納品まで半年ほどかかることが一般的なので、自作する場合は構想段階から完成までがもっと長い時間がかかるでしょう。仕事をしながら休日などの空き時間に進めようとすると、年単位で期間を見積もる必要があるかもしれません。
専門的な知識が必要になる
トレーラーハウスは建築物ではないとはいえ、実際に居住部分で生活をすることを想定すると、建築物と同様に安全性を考慮して設計する必要があります。十分な強度や自然災害への備えた設計をするとなれば、設計に関する専門的な知識がなければ難しいでしょう。
設計がしっかりしていなければ、例え形になったとしてもすぐにガタがきて満足に生活できなくなる可能性もあります。自作する場合は、書籍や動画、インターネットなどで必ず設計や建築に関する知識を学んでから取り掛かるようにしましょう。
十分な性能のものを作れない可能性がある
トレーラーハウスを自作できたとしても、建築技術が未熟であれば本来の強度や性能のものを作れない可能性があります。外壁の継ぎ目に隙間が生じてしまったり、微妙に水平がズレてしまったりして、快適に過ごせないかもしれません。
上記でもお伝えしたように、そもそも設計段階で何か重大な欠陥が生じていても建築するまで気付かない可能性もあります。例え設計が十分なものでも、材料を加工する技術や加工された材料を組み立てる技術など、多様な技術がなければ十分な性能を発揮できないでしょう。
トレーラーハウスの自作と購入の比較
トレーラーハウスを自作することのメリット・デメリットがある程度理解できたと思います。自作と購入のどちらを選択するか迷っている方は、以下の項目を比較して検討してみると良いでしょう。
比較項目 | 自作 | 購入 |
費用 | 200~400万円 | 500~800万円 |
完成期間 | 個人の技量による | およそ3~6ヵ月 |
自由度 | 非常に高い | 高い |
品質 | 個人の技量による | 非常に高い |
労力 | 非常にかかる | ほとんどかからない |
上記の他にも様々な要素が加味されるため、単純に比較することは難しいですが、購入する場合は一定以上の品質が保証されているため、期待値とのズレがほとんどありません。自作する場合は、製造中にモチベーションが変化したり、思い通りのものが実現できなかったりすることもあるため、決断にはかなりの覚悟が必要になるでしょう。
また、メーカーによっては購入後のアフターサポートがついていることもあります。何らかの不具合が発生した際は対応してくれたり、保証で修理してくれたりするので、万が一のことにも備えることができるという安心があります。
反対に、自作した場合は完成後のメンテナンスも基本的には自分でしなければいけません。長い目で見た時に、どちらの方が魅力的か検討したうえで選択しましょう。
トレーラーハウスを自作する際の注意点
トレーラーハウスを自作する際は、以下の点に注意しながら製造しましょう。
- 大きさについて確認する
- インフラの接続方法を確認する
- 近隣住民へ配慮する
- 保険に加入する
大きさについて確認する
トレーラーハウスは車両として扱われるため、ナンバーを取得して公道を走行することが可能です。しかし、ナンバーを取得するためには、保安基準第2条で定められている大きさに収めなければなりません。
- 全長:12.0m未満
- 全幅:2.5m未満
- 全高:3.8m未満
上記のサイズを超えると、普通車両とは認められないため、特殊車両に該当します。ナンバーを取得することができず、公道を走行する際は基準緩和申請と特殊車両通行許可が必要になります。
特殊車両に該当すると輸送費が高額になるほか、自動車保険にも加入することができません。将来的にトレーラーハウスに関する法整備が進められれば違法になる可能性もあるため、できるだけ保安基準第2条で定めるサイズで製造することが望ましいでしょう。
インフラの接続方法を確認する
トレーラーハウスには、電気・ガス・水道といった各インフラを接続することが可能です。しかし、接続方法に注意しなければ車両として認められず、違法建築物に該当する可能性があります。
トレーラーハウスは、随時かつ任意に移動できることを前提に車両として認められます。そのため、インフラは工具無しでもすぐに脱着可能な仕様で接続しなければなりません。水道配管を通常の住宅と同じように接続すれば工具無しでは脱着できず、電気に関しても配線を直接引き込めばすぐに脱着することはできません。
トレーラーハウスにインフラを接続する際は、必ず工具無しですぐに脱着できる仕様で接続するということを忘れないでください。
トレーラーハウスのインフラはどうする?電気・水道・ガスなど
「トレーラーハウスに水道や電気は設置できるのか?」という疑問をお持ちの方のために、トレーラーハウスのインフラ事情について解説します。費用や工事の流れなどが気になる方はご覧ください。
近隣住民へ配慮する
トレーラーハウスの加工や組み立てを実施する際は、近隣住民へ配慮しながら作業しなければなりません。なぜなら、作業中に発生する騒音で近隣住民とトラブルに発展する可能性があるからです。
倉庫がある場合はできるだけ倉庫内で作業を行うといった、騒音を抑える配慮をしましょう。倉庫がない場合でも、平日の日中などできるだけ人が家にいない時間帯を狙って作業すると良いです。
保険に加入する
トレーラーハウスが完成したら、保険に加入しましょう。自然災害が多い日本では、地震や台風によって家屋に大きな損害が発生する可能性が大いにあります。予期せぬ火災に巻き込まれる可能性も無視できません。
普通車両に該当する大きさのトレーラーハウスは、自動車保険に加入することが可能です。特殊車両に該当する場合でも火災保険に加入できるため、万が一に備えて保険に加入することをおすすめします。
自作する際の参考例はどうやって探す?
トレーラーハウスを自作しようとしても、設計やデザインに関して何か参考例が欲しいと考えることがあると思います。どこで参考例を探せば良いのかわからないという方は、以下の方法で探してみると良いでしょう。
- メーカーの施工事例・商品ラインナップ
- SNS
メーカーの施工事例・商品ラインナップ
メーカーのホームページにアクセスすると、施工事例や商品ラインナップのページに間取りや図面が掲載されていることがあります。完成後の外観・内観の写真を見ることもできるでしょう。
それらを参考にして、自分なりに工夫を加えることで大まかな構想が浮かんでくるかもしれません。細かいところは最終的に自分で設計する必要がありますが、コンセプトや方針が決まれば、より具体的に理想のトレーラーハウスを想像できるようになるでしょう。
SNS
SNSでトレーラーハウスについて調べれば、おしゃれで洗練されたデザインのトレーラーハウスを見つけることができるかもしれません。おすすめのSNSは「Instagram」と「Pinterest」です。
特にPinterestは、トレーラーハウス先進国である欧米諸国のトレーラーハウスのデザインやアイデアを見つけやすいため、参考にできるものが多数見つかるかもしれません。自作したトレーラーハウスを発信している人もいるため、参考にしやすいトレーラーハウスが見つけられる可能性もあるでしょう。
トレーラーハウスの自作キットもある
トレーラーハウスを1から設計・デザインして製造することは難しいけど、費用を抑えるためには自作したいと考えている方もいるのではないでしょうか。そんな方には、トレーラーハウス自作キットを購入することをおすすめします。
自作キットとはその名の通り、トレーラーハウスを製造するのに必要な材料が揃えられていて、完成形も決まっているセット販売商品のことです。シャーシも個別で販売されているため、シャーシと自作キットを購入すれば比較的容易にトレーラーハウスを自作することができます。
こちらの場合、形がすでに決まっているので設計やデザインを自分でする必要はありません。組立図に従ってトレーラーハウスを自作する過程を楽しむことができます。完成品を購入するよりも安価で購入できるため、手間をそれほどかけず安くトレーラーハウスを自作したいという方には向いているでしょう。
オーダーメイドなら自由度が高い
トレーラーハウスを購入する場合でも、オーダーメイドすることで理想のトレーラーハウスを実現できる可能性があります。専門知識を持ったメーカーが設計やデザインをしてくれるため品質が高いのはもちろんのこと、+aの提案をしてくれるので自分が思っている以上のトレーラーハウスが完成するかもしれません。
自作する過程を楽しむことはできませんが、逆に言えば自作では実現できないような設計や建築技術のトレーラーハウスが完成する可能性があります。自作するよりも費用がかかってしまいますが、品質に妥協せずクオリティーの高いトレーラーハウスが欲しいと考えている方には、オーダーメイドで購入することをおすすめします。
オーダーメイドのトレーラーハウスならHCT
トレーラーハウスの自作に関する情報を、詳しく解説しました。
自作する場合は、自分の思い通りに設計・デザインすることができたり、製造する過程を楽しむことができたりという魅力があります。一方で膨大な労力がかかったり、専門的な知識も必要になります。購入する場合でもオーダーメイドすることで、理想のトレーラーハウスを実現することが可能なので、様々な要素を考慮して自作か購入か検討してみてください。
HCTトレーラーハウスは、トレーラーハウスの製造・販売を承っております。セミオーダー・フルオーダーできるだけでなく、工務店ならではの高い建築技術や優れたデザインであなたの理想のトレーラーハウスを叶えます。ぜひ、お気軽にご相談ください。
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