トレーラーハウスは雪に強い?寒冷地での積雪対策や寒さ対策について解説
トレーラーハウスは住居として快適に過ごすことができますが、「通常の家よりも壁が薄そう」「寒さの面で頼りなさそう」と考えていらっしゃる方は少なくありません。
また、寒冷地では大量の積雪も考えられるため「屋根に雪が積もったときに耐えられるのか心配」という人もいるのではないでしょうか。本記事では、トレーラーハウスの寒冷地での積雪対策や寒さ対策について紹介していきます。
Contents
トレーラーハウスの積雪荷重はどのくらい?
結論からいうと、トレーラーハウスは通常の家と同様に、地域毎に想定される積雪量を考慮した構造設計を行います。地域や屋根の勾配形状によって基準となる数値は変わりますが、建築基準法をクリアした水準になるように設計されるため、積雪荷重について心配する必要はありません。
トレーラーハウスの屋根は寒冷家では傾斜をつけますが、雪が降ったときには基本的には通常の住居と同様に屋根に積もることが想定されます。
一般的に、積雪量1㎝で1㎡につき20N以上(2㎏)と言われており、多雪地域の場合、積雪量1㎝で1㎡につき30N以上(3㎏)と言われています。1mの高さまで積雪すると1㎡あたり200kg程度の重さになるため、多雪地域では屋根に乗る雪の重さを想定して構造計算することがとても大事です。
積雪量が多い地域では、雪が積もったままだとトレーラーハウスに強い負荷がかかるため、雪下ろしなど積雪対策をする必要がありますが、寒冷地の家と事情は大きく変わらないため心配であれば施工会社とよく相談するようにしましょう。
寒冷地のトレーラーハウス設置で注意すべき2つのポイント
トレーラーハウスを寒冷地に設置する際に注意すべき点は2つあります。
他の地域から移動させてきたトレーラーハウスではないか
トレーラーハウスの大きな利点の1つとして、簡易に場所を移動させることができるという点があります。しかし、寒冷地ではない場所で使用することを想定したトレーラーハウスを多雪地域に移設することは避けるべきです。雪が積もることを想定していないため、屋根に十分な傾斜がなく、雪が積もりすぎて想定以上の負荷がかかる場合があります。
その他にも断熱機能や凍結対策等、寒冷地での使用を想定していないトレーラーハウスでは快適に過ごすことはできません。中古のトレーラーハウスや温暖な地域で製造されたトレーラーハウスを寒冷地に設置する場合には、冬場に使用することを十分に考慮して導入の可否を検討するようにしましょう。
寒冷地における施工ノウハウのある業者か
寒冷地での施工経験がないトレーラーハウスメーカーの場合、積雪や寒さに耐えられる強度・断熱性能を保持していないトレーラーハウスとなってしまうこともあり得ます。寒冷地での施工ノウハウや経験の有無に関して、事前に十分にチェックしておく必要があります。
トレーラーハウスの積雪対策
建築基準法では地域によっては積雪荷重が定められており、雪が多く降る地域では積雪荷重の数値が高く定められています。積雪荷重に合わせて構造の強度を確認し、積雪荷重に耐えられるかどうかを確認することが必要です。
以下では、トレーラーハウスの積雪対策としてよくある3つの対策について解説します。
- 屋根に勾配をつけたり片流れ屋根にしたりする
- 設置場所を工夫する
- 雪下ろしの頻度
屋根に勾配をつけたり片流れ屋根にしたりする
屋根に勾配をつけることで、雪が自然に滑り落ちるため、屋根への積雪負担を軽減できます。片流れ屋根は一方向に傾斜しており、雪下ろしがしやすく、構造もシンプルでコスト効率が良いです。これらの屋根にすることで、雪が積もりづらくなります。屋根の素材は雪が滑りやすい素材を使うとより効果的です。
設置場所を工夫する
トレーラーハウスを設置する場合、太陽光が当たる場所に置くと雪が溶けやすくなります。太陽光が当たらない場所だと雪が溶けず残ってしまいます。屋根の角度を斜めにした場合は特に太陽光が当たる位置を意識する必要があります。
雪下ろしの頻度
一般的な住宅の雪下ろしの基準は積雪50cmと言われています。雪が積もってきて長く放置してしまうと雪が水分を含んで重さが増してしまうため、早めに雪下ろしをするのがおすすめです。
トレーラーハウスの寒さ対策
積雪対策以外にも、寒冷地にトレーラーハウスを設置する場合は注意すべきポイントがいくつかあります。トレーラーハウスは断熱性能が高く、一般的な住宅と同じように暮らすことができると言われていますが、下記の2点に関しては十分に注意しましょう。
- 断熱対策
- 凍結対策
断熱対策の方法
断熱材を用いることで、外部の寒さを遮断し、室内の暖かさを保つことができます。一般的に使用される断熱材は、グラスウールやウレタンフォームです。また、二重窓や特殊なサッシなどを活用して、断熱性能を高めることもあります。
グラスウール
ガラスを高温で溶かして繊維状に加工したもので、高い断熱性能を持ち、コストパフォーマンスにも優れています。また、防音効果もあるため、外部の騒音を軽減する効果も期待できます。しかし、湿気を吸収しやすい性質があるため、湿度管理が重要です。
ウレタンフォーム
ウレタン樹脂を発砲させたもので非常に高い断熱性能を持ちます。断熱材を直接現場で吹き付けるため、隙間なく施工でき、断熱効果を最大限に発揮します。また、耐水性にも優れているため、湿気の多い環境でも効果を発揮します。ただし、施工コストが高くなる場合があります。
二重窓
窓は、家の中で最も外気温の影響を受けやすい場所の1つと言えます。窓からの熱損失を防ぎ、高断熱を叶えるためには、二重窓の導入が効果的です。ガラスの間には空気層があり、この空気層が断熱効果を高めます。また、熱伝導の低い樹脂サッシなどを利用した寒さ対策に優れた窓もあります。
その他にも、二重玄関(玄関フード・風除室)を導入する場合もあります。
凍結対策の方法
寒冷地でのトレーラーハウス生活は、雪や寒さの問題もありますが、水回りの凍結防止も重要な課題です。以下では、水回りの凍結防止策と日常的な凍結対策について詳述します。
水回りの凍結対策
トレーラーハウスはライフラインが整えられるところが良いところですが、寒ければ通常の家と同様に水道管が凍結します。水道管が凍結するのを防ぐためには、適切な断熱が不可欠です。断熱材を使用して水道管全体を覆うことで、外部の寒さから保護します。
また、凍結防止ヒーターを取り付けることも手段の1つです。凍結防止ヒートは水道管に沿って取り付けられる電熱線で、水温を一定に保つ役割を果たします。
設置方法は、水道管にヒーターを巻きつけ、その上から断熱材を巻くという手順です。電源を入れることで、ヒーターが作動し、管内の水が凍結するのを防ぎます。この方法は、特に気温が極端に低くなる地域で効果的です。
日常的な凍結対策
水道管が凍結してしまうと、お湯はもちろん、水も利用できなくなり生活ができなくなってしまいます。凍結しないようにする対策としては水を少量ずつ流し続けることが挙げられます。水が流れ続けることで、水道管内の水が静止せず、凍結のリスクが減少します。特に、夜間や外気温が著しく低下する際に効果的です。
他にも、室内の温度管理も凍結防止に重要です。水回りの配管が通る場所やトレーラーハウス全体の温度を適切に保つことで、水道管の凍結を防ぐことができます。
寒冷地でも対策を施したトレーラーハウスなら安心
寒冷地でトレーラーハウスを使うことが考えられる場合は、積雪することを前提に経験豊富なメーカーのトレーラーハウスを購入することがおすすめです。屋根を斜めにカスタマイズしたり、断熱性能がより高い素材を選んだりすることは必要不可欠です。
別荘や冬場のキャンプ場の宿泊施設として、寒冷地へのトレーラーハウスの導入を検討している方は、ぜひ本記事で解説したポイントを意識してトレーラーハウスメーカーを選ぶようにしてみてください。
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