キャンプ場経営に必要な資格や費用は？成功させるポイントを解説

趣味の延長や土地の有効活用の手段として、キャンプ場の経営を考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。近年では、アウトドアブームでキャンプユーザーが増え、各地でさまざまなスタイルのキャンプ場が誕生しています。

キャンプ場の形態によって、かかる費用や必要な許認可が異なるため、経営を始める前に確認しておきましょう。

この記事では、キャンプ場経営に必要な許認可や費用の項目について解説しています。キャンプ場経営を成功させるポイントもまとめているので、あわせてご覧ください。

キャンプ場経営の始め方

キャンプ場経営は、一般的に以下の手順で進めていきますが、場所の入手方法やキャンプ場のスタイルによって必要な要件が異なります。

1. 市場調査
2. 事業計画の作成
3. 資金調達
4. 許認可取得
5. 施設整備
6. プロモーション

自身や家族が持っている土地を活用する場合は、初期投資を抑えつつ自由に設計することが可能ですが、土地の用途変更やインフラ整備などが必要になります。既存のキャンプ場を引き継ぐケースでは、施設やインフラが整備されているため、初期投資が小さく迅速に開業できる点がメリットです。

どちらも事前に必要な許認可をしっかり確認し、詳細な計画に則って進めることが大切です。

キャンプ場の種類

一口にキャンプ場といっても、そのスタイルやコンセプトはさまざまです。形態によってターゲット層が異なるほか、必要な許認可も違ってくるため、どのようなスタイルで経営するのかをしっかり定める必要があります。

野営キャンプ場

野営キャンプ場は、自然の中に最小限の設備のみを設置したキャンプ場です。トイレや水場などの基本的な施設がない場合も多く、自分でテントを設営し、自然の中での生活を楽しむことが求められます。

サバイバルスキルを磨きたい人や、本格的なアウトドアを楽しみたい人に適したキャンプ場です。多くの施設を設置する必要がないので、コストがかからず管理の手間もかかりにくいといったメリットがあります。

オートキャンプ場

オートキャンプ場は、テントサイトの近くに車を停めることができ、荷物の運搬が容易であるため、初心者や家族連れに人気です。電源付きサイトやシャワー施設、バーベキューエリアなどの充実した設備が整っていることが多く、快適なキャンプ体験が可能です。

初心者でも気軽にキャンプを楽しめる、雨天時にも車を利用して快適に過ごせるといったメリットがあるため、ターゲット層の幅が広く設定できます。ユーザーの利便性が高くなる一方で、施設の管理にはある程度の工数や維持費が必要になります。

コテージ・ロッジ

キャンプ場内に設置された小さな家屋で宿泊するスタイルで、ベッドやキッチン、シャワーなどの設備が整っているケースも少なくありません。家族連れや大人数での利用に適しており、天候に左右されずに快適に過ごせるのが大きなメリットです。

ユーザーが手軽にアウトドアを体験できる点が魅力ですが、建物のメンテナンスが必要になり、定期的に修繕費などが必要になります。

グランピング

グランピングは、豪華で快適なキャンプ体験を提供するスタイルです。宿泊施設にはベッドや家具、空調設備が整っているため、不便さを感じることなくアウトドア体験が楽しめます。

食事も用意されていることが多く、バーベキューや地元の食材を使った料理を味わえるのが特徴です。ホテルのような宿泊施設になるため、営業にさまざまな許可が必要になり、清掃やリネンの管理などが業務に含まれます。

キャンプ場経営に必要な資格や許可

キャンプ場を経営するために特別な資格は要りませんが、必要に応じて以下の許認可を取得しなければなりません。

• 林地開許可：1ヘクタール以上の森林を伐採するときに必要な許可（1ヘクタール未満は小規模林地開発許可）
• 旅館業許可：コテージやグランピング施設の運営に必要
• 公衆浴場営業許可：浴槽やサウナを設置する場合に必要
• 飲食業許可：バーベキューの食材や料理を提供する際に必要
• 酒類販売業免許：缶や瓶のアルコールを販売する場合に必要

それぞれ申請先が異なるので、許認可を取得する場合には届出先についても事前に確認しておきましょう。

キャンプ場の経営にかかる費用

キャンプ場の経営では、初期投資だけでなく、以下のような開業後のランニングコストについても考えなければなりません。

• 水道光熱費
• 修繕費
• 人件費
• 通信費
• 保険料
• 広告宣伝費など

このほか、清掃や管理を委託する場合には委託費が、土地の価値や建物の有無によっては固定資産税がかかってくることも念頭に置いておきましょう。

キャンプ場のスタイルによって必要な費用は異なりますが、これらの費用をまかなって利益を出すためには、収入とのバランスを考えながら予算を組むことが大切になります。

キャンプ場経営を成功させるポイント

無計画にキャンプ場を作っても、成功させることは困難です。安定した経営を行うためには、しっかりと計画を立て開業するほか、リスクへの対策も欠かせません。

キャンプ場経営を成功させるためには、以下のポイントを意識しましょう。

• キャンプ場に適した土地を選ぶ
• コンセプトを明確にする
• 同業者から情報収集する
• 平日やオフシーズンの対策をする

キャンプ場に適した土地を選ぶ

キャンプ場の立地は、自然豊かな環境でありながらも、首都圏などから容易にアクセスできる場所が理想です。川や湖、山、海が近くにあれば、自然体験の幅が広がるので、季節ごとの利用方法がイメージできる場所を選ぶとよいでしょう。

また、周辺の観光スポットやアクティビティとの連携も考慮すると、ユーザーにとって魅力的な滞在地となります。

コンセプトを明確にする

ファミリー向け、冒険志向、リラクゼーション重視など、ターゲットとなる顧客層を明確にし、そのニーズに応じたサービスを提供することが大切です。テーマに基づいた施設やアクティビティを整備することで、競合他社との差別化が図れます。

たとえば、エコキャンプ場として環境保護を前面に打ち出す、ペット同伴可の施設を充実させるなど、独自の強みを持つことが求められます。

同業者から情報収集する

成功しているキャンプ場を訪れ、その運営方法や施設の配置、サービス内容を学ぶことで、自分のキャンプ場に活かせるアイデアが得られます。業界のセミナーや展示会にも積極的に参加し、最新のトレンドや顧客のニーズを把握しましょう。

SNSや勉強会などを活用して同業者同士の交流を深めることで、協力関係を築くことも可能です。

平日やオフシーズンの対策をする

キャンプ場経営においては、平日やオフシーズンの集客対策が重要です。特別プランや割引を提供することで、平日の利用を促進しましょう。

また、ワークショップやイベントを開催し、地元住民や企業、学校をターゲットにした企画を行うのも効果的です。このほか、冬キャンプやスノーアクティビティなど、季節ごとの魅力を打ち出すことで、オフシーズンの集客を図ることも有効でしょう。

トレーラーハウスの活用も一案

トレーラーハウスは移動可能な宿泊施設であり、季節や需要に応じて柔軟に配置を変えることが可能です。この柔軟性は、キャンプ場の利用状況や顧客ニーズに迅速に対応できる大きな利点になり、他のキャンプ場との差別化も期待できます。

宿泊施設のほか、受付や管理棟、キャンプギアのショップやキッズスペースとして活用すれば、顧客のリピート率を高める一助にもなるでしょう。移動が容易なため、キャンプ場以外でのプロモーションや体験イベントを実施する際にも便利で、キャンプ場の収益アップに役立ちます。

トレーラーハウスの活用は初期投資こそ必要ですが、固定資産税がかからないなど、長期的にキャンプ場経営の成功に寄与する有力な手段となります。

HCTでは、キャンプやグランピングを始めとした宿泊施設向けのトレーラーハウスの販売も行っております。宿泊施設も自社で運営しておりますので、実績に基づいた最適なご提案が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

キャンプ場経営にチャレンジしてみよう

キャンプ場は、野営地やオートキャンプ、グランピングなど、スタイルによって必要な設備や許認可が異なります。たとえば、野営キャンプ場は低コストで運営できる反面ユーザーの層が限定され、グランピングは幅広い層にアプローチできるものの管理コストが高くなります。

オフシーズン対策や競合との差別化を図る必要があるので、キャンプ場のスタイルに合わせてトレーラーハウスの活用やユニークなプランの提供なども検討してみるとよいでしょう。現在はSNSなどで容易に他のキャンプ場のオーナーとつながれるため、リアルな情報を得ながらキャンプ場経営に挑戦することが可能です。