学習塾を開業する手順は？費用の目安とおすすめの物件を解説

学習塾の開業を考えているものの、何から始めればよいのかわからない、とお困りではないでしょうか。また、教室にどのような物件を選ぶべきかも、頭を悩ませるポイントです。

物件選びは塾の成功を左右するため、さまざまな選択肢を検討する必要があります。

この記事では、学習塾を開業する手順と費用の目安について解説しています。おすすめの物件も紹介しているので、ぜひ最後までご覧いただき、開業の参考にしてください。

学習塾は開業しやすい

学習塾は、開業のハードルが低く、未経験者でも比較的始めやすいビジネスモデルです。特定の資格を必要としないため、専門知識や教員免許を持っていなくても開業できます。

また、広いスペースや高額な設備も不要なので、マンションの一室や自宅の一部を利用してスタートできる点もメリットです。

さらに、地域の子どもたちを対象とした少人数制の塾や個別指導形式であれば、少ない資本でも運営でき、比較的すぐに利益につながるでしょう。地域密着型のビジネスとして、口コミや紹介による集客も期待できるため、長期的な安定経営が可能です。

学習塾開業にかかる費用の目安

学習塾の開業にかかる費用は、小規模であれば50万円から100万円程度が目安になります。

内訳には、まず物件取得費用が挙げられますが、賃貸の場合は敷金や礼金がかかり、10万円〜50万円ほど必要になるでしょう。

次に、机や椅子をはじめとする備品の費用としては、10万～20万円程度かかることが多いです。

また、開業を周知するために重要な宣伝費は、チラシやインターネット広告に10万円前後を用意するのが一般的です。このほか、カリキュラムを独自に作成する場合は、教材の開発やプリント作成費用も発生します。

学習塾を開業する手順

ここでは、学習塾を開業するための手順を解説します。スムーズに開業できるよう、流れを把握しておきましょう。

コンセプトを決める

学習塾の開業でまず大切なのは、コンセプトを明確にすることです。

• 中学受験に特化
• 個別指導
• 学習を定着させるカリキュラム
• 英語、数学など科目に特化 など

コンセプトが決まると、対象とする生徒層が明確になり、広告や宣伝の方向性も定まりやすくなります。また、独自の強みをアピールできると、競合塾との差別化が図れ、保護者や生徒にも選ばれやすい学習塾になるでしょう。

教室の場所を選ぶ

教室の立地は、集客に大きく影響します。子どもや保護者の利便性を考え、駅や学校から近いエリアを選ぶと良いでしょう。

また、送迎のしやすさや周辺の治安なども重要な要素となるため、保護者の視点も意識して、生徒が安心して通える場所を選定しましょう。

塾のコンセプトに合わせ、商業エリア、住宅街など、適した立地を選ぶことが大切です。

備品の調達

学習塾では、次のような備品が必要になります。

• 机や椅子
• ホワイトボード
• 教材
• 筆記用具

教材は塾のコンセプトに合ったものを選び、モニターや書籍など、必要に応じたツールもそろえましょう。また、教室がオンライン授業にも対応する場合は、パソコンやインターネット環境、カメラ、マイクなども用意する必要があります。

このように、快適な環境を提供することで、生徒が集中して学習できる教室づくりにつながります。

必要な届出を行う

個人事業主として塾を経営する場合、開業届を税務署に提出する必要があります。法人の場合は、法人設立届出書を提出しましょう。

また、従業員を雇うケースでは、税務署への届出のほか、労働保険関係の届出も必要です。このほか、塾の規模や入居するビルの状況によっては、消防検査を実施しなければならないこともあります。

生徒の募集

地域に密着した塾の場合、地元の学校近辺を中心にチラシを配布したり、広告を出したりするなど、ターゲットに直接届く方法を検討しましょう。

また、ローカル情報誌やSNSを活用して、塾の特徴やキャンペーン情報を告知することも効果的です。授業の無料体験や開校キャンペーンを行い、地域の認知度を高めて生徒を獲得しましょう。

学習塾に適した物件

学習塾を開くための物件には、立地や送迎のしやすさだけでなく、学びやすい環境が作れることが大切です。

また、物件によって取得費やランニングコストも大きく変わってくるため、事業計画に合わせて適切に選定することが求められます。以下、学習塾に適した3つの物件について解説します。

自宅の一部を活用

費用を抑えて開業したい場合、自宅の一部を活用するのが効果的です。自宅であれば賃料が発生しないため、初期費用やランニングコストの削減が可能です。

また、営業時間や授業内容などの自由度が高く、柔軟な経営ができる点も魅力です。さらに、個別指導や少人数クラスの塾として運営すれば、親しみやすさや通いやすさもアピールポイントになります。

ただし、家庭とビジネススペースの境があやふやだと、生徒が集中できない空間になりかねません。明確にスペースを分け、防音対策や安全対策をしっかりと講じることが大切です。

テナント

テナントを利用した学習塾は、アクセスの良さと設備の充実が大きな魅力です。とくに、駅前や商業エリアのテナント物件は、多くの人の目に留まりやすく、集客力が高まります。

また、スクール向けの物件や居抜き物件であれば、設備がそのまま使えることが多く、費用を抑えることも可能です。

ただし、テナントは賃貸契約のため、毎月の家賃が発生する点には注意が必要です。計画的に運営しなければ、ランニングコストが経営を圧迫しかねません。

トレーラーハウス

トレーラーハウスを自宅の敷地内に設置すれば、居住空間と塾スペースを完全に分けることが可能です。

通常、敷地内に建物を増やす場合は、建ぺい率や容積率を意識しなければなりませんが、トレーラーハウスであれば、それらの制限を受けずに設置することができます。

ただし、基礎に固定したりタイヤを外したりするなど、容易に移動できない状態の場合は建築物と見なされることがあるため、注意が必要です。

学習塾にトレーラーハウスがおすすめな理由

トレーラーハウスで学習塾を開業することには、多くのメリットがあります。なかでも、申請の手間や税負担が少ない点は大きな魅力です。

ここでは、学習塾運営にトレーラーハウスがおすすめな理由を解説します。

建築確認申請が不要

一般的に、増築や新たに建物を設置する場合は建築確認を行う必要があります。しかし、トレーラーハウスの場合は、条件を満たしていれば車両扱いになるので、申請する必要がありません。

そのため、確認申請にかかる時間と費用が削減でき、スムーズに開業することが可能です。

ただし、自治体によっては設置に許可が必要なケースもあるため、窓口などへ問い合わせて事前に確認しておきましょう。

節税効果がある

一般的な建物は固定資産税の対象となりますが、トレーラーハウスは「動産」として扱われることが多く、固定資産税が課されない場合があります。

また、減価償却の対象になるため、初年度から経費として計上でき、法人税や所得税の節税につながります。このほか、自動車税や重量税はかかるものの、不動産取得税などに比べれば負担はわずかです。

不要になったら売却できる

トレーラーハウスは、廃業や経営戦略の変更時に売却できる点も魅力的です。

建築物は売却や処分に手間や費用がかかることがありますが、トレーラーハウスは中古市場でも需要があるため、比較的簡単に売ることが可能です。また、移動が容易なことから転用されるケースも多く、高値での売却も期待できます。

経営においてリスクを低減しつつ、不要になったら処分しやすいのも、トレーラーハウスならではの利点です。

学習塾を開業するならトレーラーハウスを活用しよう

学習塾を開く物件として、自宅の開放やテナント利用のほか、トレーラーハウスの活用が考えられます。トレーラーハウスには、動産に必要な申請の手間が省ける、節税効果が得られるといったメリットがあります。

また、不要になった場合にも比較的簡単に売却できるため、状況が変わった場合に迅速に対応できる点が魅力です。学習塾を開業するなら、ぜひトレーラーハウスの活用を検討してみましょう。