トレーラーハウスは2階建てにできる?主な規制項目や広くする方法を紹介
トレーラーハウスの購入を検討している方の中には、「トレーラーハウスは2階建てにできるのか」と疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。一般住宅やコンテナハウスであれば2階建てにできますが、トレーラーハウスの場合はどうでしょう。
今回は、トレーラーハウスは2階建てにできるのか解説します。トレーラーハウスを広く活用するための方法や、他の選択肢と比較したトレーラーハウスのメリットも紹介するので、最後までご覧ください。
Contents
原則トレーラーハウスは2階建てにできない
結論から申し上げると、原則としてトレーラーハウスは2階建てにすることができません。2階建てにしてしまうと、トレーラーハウスが車両として認められるサイズを超えてしまうためです。(サイズは後ほど解説いたします)
トレーラーハウスで車検を取得して公道を走行できる状態にするためには、保安基準第2条に定めるサイズに収めなければなりません。しかし、2階建てにすると高さが基準を上回るため、2階建てにできないということです。
トレーラーハウスの主な規制項目
以下の規制項目を遵守しなければ、トレーラーハウスは車両として認められません。
- サイズ
- ライフラインの接続方法
- 設置場所
サイズ
前章でも説明した通り、トレーラーハウスを車両として扱うためには、保安基準第2条に定めるサイズに収める必要があります。保安基準第2条に定めるサイズは、以下の通りです。
- 全長:12.0m未満
- 全幅:2.5m未満
- 全高:3.8m未満
上記のサイズをどれか1つでも超えると、特殊車両という扱いになるため車検を受けられず、公道を走行することができません。移動する際は、基準緩和申請や特殊車両通行許可の手続きをしなければならず、費用も手間もかかるでしょう。
2階建てにしてしまうと高さを超えて特殊車両に該当してしまったり、建築物とみなされたりする可能性があるため、トレーラーハウスは2階建てにすることができません。
ライフラインの接続方法
トレーラーハウスには電気・水道・ガスなどのライフラインを接続することができますが、接続方法にも規制があります。トレーラーハウスはすぐに移動できることを前提として、車両として扱われます。
ライフラインをすぐに脱着できるような仕様でなければ、車両として認められず建築物に該当してしまうため、注意しなければなりません。具体的には、以下のようにそれぞれのライフラインを接続しましょう。
- 電気:コンセントのようなコネクタで接続
- 上下水道:カムロックという配管器具で接続
- ガス:プロパンガスをトレーラーハウスに積載
- 電話・ネット回線:アダプタで接続
全てに共通していることは、「工具無しで脱着できる」という点です。専門業者に依頼すれば、全てのライフラインを問題なく接続できるでしょう。
以下の記事でライフラインについて解説しているので、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
トレーラーハウスのインフラはどうする?電気・水道・ガスなど
「トレーラーハウスに水道や電気は設置できるのか?」という疑問をお持ちの方のために、トレーラーハウスのインフラ事情について解説します。費用や工事の流れなどが気になる方はご覧ください。
設置場所
トレーラーハウスは一般住宅よりも土地選択の幅が広いというメリットがあります。市街化調整区域に設置できたり、建ぺい率・容積率の規制を受けなかったりするためです。
しかし、トレーラーハウスを設置する場所は、以下の要件を満たしていなければなりません。
- 十分なスペースがある
- 問題なく公道に出ることができる
- 住民登録地から2km以内の場所にある
- 保管場所の所有者の許可を得ている
トレーラーハウスが車両として認められ、ナンバーを取得するためには車庫証明を取得する必要があります。上記の要件を満たして車庫証明を取得できれば、問題なくトレーラーハウスを設置することが可能です。
トレーラーハウスを広く使うための方法
トレーラーハウスを2階建てにすることはできませんが、以下の方法で居住スペースを広くすることができます。
- ウッドデッキを設ける
- 屋上テラスを設ける
- ロフトを設ける
- 複数台を併設する
ウッドデッキを設ける
トレーラーハウスの外側にウッドデッキを設けることで、屋外スペースを確保して広々使うことができます。シャーシ部分の段差を埋めることもでき、見た目的にもおしゃれな外観に仕上がるでしょう。
カフェやレストランなどの飲食店としてトレーラーハウスを活用する場合、ウッドデッキをテラス席として活用することができます。トレーラーハウスの屋内スペースだけでは十分な席数を確保することができないという場合でも、ウッドデッキを設けることで十分な席数を設けることができるでしょう。
しかし、ウッドデッキの設置方法には注意しなければなりません。トレーラーハウスとウッドデッキを固定してしまうと、建築物に該当する可能性があります。トレーラーハウスとウッドデッキは固定せず、いつでも取り外せる構造で設置しなければならないということを覚えておきましょう。
屋上テラスを設ける
トレーラーハウスの屋根に屋上テラスを設けて、居住スペースとして活用することができます。ウッドデッキと比較すると拡張性がなくスペースは制限されますが、屋根のない2階と捉えることができるため、実質2階建てと同じ居住スペースを確保することができるでしょう。
屋上テラスを設ける際は、転落防止用の柵を設ける、屋根を強度の高い材質で造るなどの安全対策を忘れてはいけません。屋根を設けることができないため、雨や雪の日は使えないこともあります。
メリットとデメリットを把握したうえで、屋上テラスを設けるか検討しましょう。
ロフトを設ける
トレーラーハウスの屋内にロフトを設けることで、居住スペースを広くすることが可能です。屋内は一般的なマンションやアパートのように広々とした居住スペースが広がっていますが、天井付近はデッドスペースとなってしまいます。
ロフトを設けることで利用できていないスペースを有効活用することができ、屋外へ拡張しなくても居住スペースを拡大することが可能。ベッドルームや書斎、収納部屋など様々な用途で活用することができ、秘密基地のようなワクワク感も演出できます。
複数台を併設する
トレーラーハウスは、単体だけで設置しなければならないという決まりはありません。設置する敷地に収めることができれば、複数台を併設することが可能です。
これまで紹介してきた方法と比べると費用が高くなりますが、1台では物足りないという方は複数台併設することも手段の1つです。特に、事業用としてトレーラーハウスを活用したい場合は有効的な手段です。
HCTトレーラーハウスの施工事例として、トレーラーハウスを3台併設して飲食店を開業されたお客様がいます。カウンター席だけでなく、広いお座敷席も多く設けており、トレーラーハウスとは思えないほどの広々空間を実現。圧迫感がないため、お客様にもゆっくり寛いでもらえると好評の声をいただいております。
一般住宅やコンテナハウスと比較したトレーラーハウスのメリット
2階建てにできないのであれば、トレーラーハウスではなく一般住宅やコンテナハウスの方が良いのではないかと考える方もいるでしょう。しかし、トレーラーハウスならではのメリットも多く存在します。
一般住宅やコンテナハウスと比較した場合、トレーラーハウスには以下のメリットがあります。
- 初期費用・維持費が安い
- 建築確認申請・基礎工事が必要ない
- 中古でも売りやすい
- 市街化調整区域にも設置できる
初期費用・維持費が安い
トレーラーハウスの最大のメリットは、初期費用・維持費が安く抑えられる点です。
一般住宅やコンテナハウスであれば、建築物に当たるため固定資産税として毎年多額の税金を納めなければなりません。購入時も不動産取得税・登録免許税など、不動産に関する税金を支払う必要があります。
しかし、トレーラーハウスは車両であるため固定資産税をはじめとした不動産に関する税金を支払う必要がありません。自動車税や自動車重量税といった車両に関する税金は納めなければなりませんが、不動産に関わる税金に比べれば、圧倒的に安く抑えることができます。
建築確認申請・基礎工事が必要ない
不動産を新しく建築する際や大規模な改修をする際は、建築基準を満たしているかどうかを事前に確認する「建築確認申請」をしなければなりません。設計図や工事計画など様々な書類を提出する必要があり、専門家に申請を代行してもらうためには多額の費用もかかります。
加えて、地盤沈下や自然災害による建物の倒壊を防ぐために、土台となる基礎工事も実施しなければなりません。
しかし、車両として扱われるトレーラーハウスであれば建築確認申請や基礎工事をしなくても設置することが可能です。建築確認申請や基礎工事には多くの時間と費用が必要になりますが、トレーラーハウスは安定した地面があれば基本的にどこでも設置可能です。
時間も費用もかけずに設置できるという点は、トレーラーハウスの大きな魅力といえるでしょう。
中古でも売りやすい
現在、日本では中古市場に出回っているトレーラーハウスが少ないため、中古でも需要が高く、売りやすいといえます。それだけでなく、移動やリフォームが容易なため買い手が地域や好みによって限定されにくいという特徴もあります。
一般住宅であれば売りに出してもその地域に住む人でなければ購入しなかったり、間取りや内装が気に入らなければ購入しなかったりと、買い手が限定されてしまいます。
しかし、トレーラーハウスは容易に移動やリフォームができるため、地域によって需要が限定されにくく、中古でも比較的早く買い手が見つかるでしょう。
市街化調整区域にも設置できる
通常、市街化を抑制する区域である市街化調整区域には住宅やコンテナハウスといった建築物を建築することはできません。
しかし、車両であるトレーラーハウスは市街化調整区域にも問題なく設置することができます。市街化調整区域は都市開発が制限されていることから、土地の価格が安いため土地購入費を安く抑えることが可能です。ただし、下水道などのインフラ面が整備されていないこともあるので、その点は注意しましょう。
また、地域によっては市街化調整区域であってもトレーラーハウスを設置することができない場合もあるので、事前に自治体に確認しておくことが大切です。
工夫して理想のトレーラーハウスを実現しよう
トレーラーハウスの2階建てに関する情報を詳しく解説しました。
トレーラーハウスは原則として2階建てにはできませんが、ウッドデッキや屋上テラスを設けるなどして広く活用することが可能です。一般住宅やコンテナハウスと比較しても魅力的なメリットが多いため、ぜひトレーラーハウスをご検討してみてはいかがでしょうか。
HCTトレーラーハウスでは、トレーラーハウスの設計・販売・製造を行っております。お客様のご要望をお聞きし、最適なご提案で理想のトレーラーハウスを提供します。
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