トレーラーハウスが賃貸経営に向いている！その理由や注意点を解説

近年、遊休地の利用が注目されるとともに、トレーラーハウスの活用も目立つようになっています。トレーラーハウスは、一般的な建物に比べて場所を選ばず、比較的容易に設置しやすいため賃貸経営にも魅力的な方法です。

この記事では、トレーラーハウスが賃貸経営に向いている理由を解説しています。注意点もまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。

トレーラーハウスが賃貸経営に向いている理由

トレーラーハウスは、以下の点から賃貸経営に向いているといえます。

• 市街化調整区域でも設置できる
• コストが抑えられる
• 不要になったら売却できる
• 入居者のニーズに応えやすい
• 節税効果がある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

市街化調整区域でも設置できる

通常の住宅や店舗などの建築が制限されている市街化調整区域では、一般的な賃貸物件を建てることが困難です。

しかし、トレーラーハウスであれば、建築物ではなく車両として扱われるため、基本的には問題なく設置できます。これにより、土地活用の選択肢が広がり、一般的な賃貸物件が難しいエリアでも収益を得ることが可能になるでしょう。

コストが抑えられる

トレーラーハウスは、通常の建築物に比べて初期費用が抑えられるため、賃貸経営を始める際のコストを大幅に削減できます。一般的な賃貸物件を建築する場合、土地代や建築費用で数千万円が必要になることもありますが、トレーラーハウスは数百万円から導入できるため、初期投資が比較的安価です。

また、建築に伴う基礎工事や許可申請の手続きも不要な場合が多く、工期も短縮されるため、すぐに賃貸経営を始めることが可能です。さらに、トレーラーハウスはメンテナンスコストも低いため、長期的に見てもコストを抑えた賃貸経営が実現できるでしょう。

不要になったら売却できる

賃貸経営では、需要の変化や経営方針の変更で物件が不要になるケースもあります。トレーラーハウスは通常の建物と異なり、動産であるため不要になった場合には簡単に売却することが可能です。

中古市場でもトレーラーハウスは需要があり、状態が良ければ高値で売れることもあります。また、移動が可能なため、別の土地に移設して再利用することもでき、資産としての柔軟性が高いのも特徴です。

入居者のニーズに応えやすい

トレーラーハウスは、設置場所が比較的自由であることや独自のデザインを取り入れやすいことから、入居者のニーズに柔軟に対応できるのが魅力です。アウトドアや自然を楽しみたい人、週末だけ利用したいセカンドハウスとしての需要、個性的な住まいを求める人など、従来の賃貸物件とは異なるターゲット層を獲得できるでしょう。

さらに、トレーラーハウスは家具付き物件として提供することも容易なため、短期・長期滞在を問わず、さまざまな入居スタイルに対応できます。

節税効果がある

通常の住宅や建築物は、土地の評価額に応じた固定資産税が毎年課されます。一方、トレーラーハウスは、一定の条件を満たしていれば車両と認められるため、多くの場合固定資産税がかかりません。これにより、長期的な維持費を抑えることが可能です。

また、減価償却期間が短いことも利点で、建築物と違い4年で償却できるため、早い段階で経費として計上できます。賃貸経営や事業に活用する場合は、毎年の収益から減価償却費を経費として差し引くことで、所得税や法人税の節税につながるでしょう。

トレーラーハウス経営の注意点

賃貸経営でトレーラーハウスを活用する際には、次の点に注意が必要です。

• 自治体によっては設置できないこともある
• 運搬費と設置費がかかる
• 建築物扱いになる可能性がある
• 移動時には許可がいる

自治体によっては設置できないこともある

トレーラーハウスは一般的に建築基準法の適用外となるため、比較的自由に設置できるように思われがちです。しかし、実際には自治体ごとの条例や規制によって設置が制限される場合が少なくありません。

とくに都市部や景観地区、自然保護区域などでは、トレーラーハウスの設置が禁止されていたり、許可が必要になったりする場合があります。また、消防法や都市計画法など、複数の法律や条例に従わなければならないこともあるため、設置予定地の自治体に事前に確認し、必要な手続きを把握しておくことが重要です。

運搬費と設置費がかかる

トレーラーハウスの設置には運搬費と設置にかかる費用が必要です。トレーラーハウスは重量があるため、専門の運搬業者に依頼する必要があり、その費用は距離やサイズ、重量によって異なります。

運搬費用は一般的に10万円から50万円程度かかることが多く、遠方の場合はさらに高額になることもあります。また、場合によっては設置場所の整地や一時的なフェンスの取り外しなどにも別途費用が発生します。

建築物扱いになる可能性がある

トレーラーハウスは、次のようなケースでは建築物とみなされる可能性があります。

• タイヤが取り外されている
• 公道に出る道が塞がれている
• 電気、ガス、水道などのインフラ設備が簡単に着脱できない

このような場合には、建築基準法の適用を受ける可能性が高く、建築確認申請が必要になって固定資産税の対象になることもあります。

移動時には許可がいる

トレーラーハウスは移動可能な点が大きなメリットですが、公道を移動する際には「特殊車両通行許可」が必要となる場合があります。幅や高さ、重量が規定を超える大型のトレーラーハウスを移動させる場合、道路交通法に基づく許可を取得する必要があります。

許可申請には、移動経路や移動日時、車両のサイズなどを詳しく記載する必要があり、許可が下りるまでに時間がかかることもあるため、移動の際には余裕を持って準備を行うことが重要です。

トレーラーハウスを活用した賃貸物件の例

賃貸物件として、トレーラーハウスを活用する例を紹介します。

賃貸住宅

コンパクトながらも機能的な設備を備えたトレーラーハウスは、独立したプライベート空間を提供するため、単身者やカップル向けのほか、別荘やセカンドハウスとして人気があります。

通常の住宅よりも初期投資や維持費が抑えられるため、家賃を低く設定できる点が入居者にとってのメリットです。最近では、リゾート地での短期賃貸や、観光客向けのバケーションレンタルとしても活用されており、オーナー側も高い収益性を期待できるでしょう。

コワーキングスペース

都市部だけでなく、自然に囲まれた場所に設置すれば、仕事に集中しながらもリフレッシュできる環境を提供できます。通常のオフィスビルに比べて初期費用や運営コストが低く、移動も可能なため、イベントや季節に合わせて設置場所を変えられる柔軟性もあります。

リモートワークの普及により、多様な働き方が増えた現代において、トレーラーハウスを利用したコワーキングスペースは、新しいビジネスモデルとして注目を集めています。

貸店舗

トレーラーハウスを利用した貸店舗は、初期投資を抑えながら店舗を開業したいオーナーにとって魅力的な選択肢です。短期間のイベント出店や季節限定のショップとしても活用しやすく、特定の時期だけ利用したい店舗オーナーにも適しています。

また、通常の店舗物件に比べて賃料が安いため、起業家やスモールビジネスを始めたい方にも人気があります。このように、トレーラーハウスを活用した貸店舗は、低リスクで独自のビジネスを展開できる手段として期待されています。

トレーラーハウスを活用しよう

トレーラーハウスは設置場所の選択肢が多いほか、初期投資やメンテナンスにかかるコストが抑えられるため、賃貸経営に向いているといえます。カスタマイズがしやすいため、入居者のニーズに応えやすく、不要になった際に売却できる点も大きなメリットです。

ただし、自治体のルールによっては設置できないことがあるほか、運搬や設置方法によっては追加費用や税負担が発生する可能性があります。そのため、トレーラーハウスの購入、設置は専門家のアドバイスを受けながら、計画的に実行することが大切です。